タクシー屋が見るマクロ経済

 予算委員会が面白いという話を聞いて今週の衆参の予算委員会をスキップしながら見ました。確かに格段に面白くなっています。やはり政治家同士の議論はいいですね。

 鳩山内閣は安定してきた感じがします。政治家は選挙で鍛えられ、内閣は国会で鍛えられるものだと思いました。ただし故人献金問題はどう見ても鳩山首相の分が悪いですが。

 経済情勢に関して議論が昨日の参院予算委員会の最後(質問者:平野達男議員)にありました。日銀副総裁が「二番底になる可能性は薄い」と言い、議員が言下に「そりゃ甘いだろ」の反応をする場面もありました。私は議員の方が正しいと思います。

 タクシーのことばっかり考えている人間はマクロ経済もタクシーになぞらえて考えます。タクシーの増車が信用創造です。このアナロジーは業界の人間にとっては極めて分かりやすいと思います。ただし一般の人には何が何だか分からないと思いますが(笑)。

 健全な状態では信用創造は適正レベルに保たれています。しかしどこかの国が何らかの名目で過剰な信用創造をするとその国にバブルが発生し、他国が相対的に疲弊します。増車した会社だけが儲かって、その他の会社が大損をし、全体としてはマイナスという状態です。

 私が日本経済新聞記者の名刺を持ちマクロ経済を意識せざるをえなくなった中で最初に“大増車”した迷惑な国は日本でした。80年代の土地バブルです。土地は絶対に下がらないというわけのわからない前提に立って、銀行が担保価値の100%の融資をしまくりました。プラザ合意などもあり、円は凶暴なまでに強くなります。日本を売ったらアメリカが3つ買えるというとんでもないところまで日本の地価が暴騰しました。三菱地所がNYのロックフェラーセンターを買ったり、ジュリアナで半裸の女がバカ踊りしていた時代です。

 1991年の大蔵省銀行局長の総量規制通達でこのバブルが壊れ、日本は20年にわたる長期不況に入ります。その後に大増車したのが米国であり中国でした。

 米国は御存知の通りデリバティブとかいうイカサマを開発して何でもかんでも、サブプライムローンの貸出資産あたりまでエクイティーにし、それに最高格付けを与えて信用創造しました。リーマンショックでこれが壊れた後は非常措置と称して政府と連銀が信用創造しまくっています。なお欧州は米国の尻馬に乗って米国以上のダメージを受け、その後の信用創造にも四苦八苦しているように見えます。

 中国は労働力を安く買いたたける社会構造を武器に最初は外国投資を呼びこんでバブルを作りました。リーマンショック後は商品が売れなくなって投資が止まりバブルが崩壊しましたが、国内の商業銀行(あれを商業銀行と言えるなら)にウルトラ過剰融資をさせて信用創造(大増車)し、無理矢理バブルを作っています。どう見ても砂上の楼閣ですが、本質がよく分かってない人に勘違いさせる程度には経済が回っています。

 日本はこの間、土地バブルの羹に懲りて膾を吹く状態でした。両隣りの会社が借金してガンガン増車しているのに自社だけ減車している状態です。そりゃ不況になります。本来は同じ比率で増車するべきだし、体力的にも増車できるのに増車しません。

 日本がやるべき政策は国債の大量発行です。長期金利1.4%という数字は、まだまだ国債が発行できるという市場からの明確なサインです。ガンガン国債発行して、教育、医療、福祉、環境、農林水産業といったところにカネを流せばいいんです。そしたら雇用が必ず生まれます。

 国会の議論で「どうして日本人は消費せずに貯蓄するのか」という質問に鳩山首相は「福祉が不十分だからだ」と答えていました。まあそれもあるのでしょうけど、最大の原因はデフレだからです。インフレにすれば貯金しても目減りするだけなので黙ってても消費者はカネを使います。年率2%程度のマイルドなインフレを目標にするべきです。

 政府の立場からすれば、国債なんてものはまともに返すものではなく、インフレにして小さくするものでしょう。言ってみれば緩慢な徳政令です。やろうと思えばそれができるのに、どうしてあんなに国債発行を恐れているのかと思います。そう言えば国会審議で藤井蔵相が高橋是清の言葉を引用していましたが、高橋是清が言いたかったのは上のことだと私は考えています。

 日本は政府も中央銀行も主権者国民のコントロール下にあります。政府や中央銀行が暴走しないよう、主権者が手綱を握っているのですから安心感があります。これに対して米国は中央銀行が主権者のコントロールの外にあり、中国に至っては政府自体が国民のコントロールの外にあります。危なっかしいことこの上ありません。日本は国債を発行していい国なんです。

 結論から言うと、私は平野達男議員の言う通り、50兆円くらい国債を発行した方がいいと思います。どうせほとんど日本国内で売れます。政府の対内債務はなんとでもなります。国全体として日本は純資産が世界最大のプラスなのですからハイパーインフレになんてなりっこありません。

 政府の債務よりも日本人の20代30代の若者の人生設計の方がよほど重大です。こっちは取り返しがつきません。どちらを優先するかは、国民に聞けば明らかだと思います。

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秋葉無差別殺傷事件の加藤被告がkmの湯浅元乗務員に手紙

加藤被告、被害者に謝罪の手紙=「当然死刑になる」−秋葉原連続殺傷事件

 東京・秋葉原で昨年6月、17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人などの罪に問われた元派遣社員加藤智大被告(27)が、事件で負傷した元タクシー運転手湯浅洋さん(55)に謝罪の手紙を送っていたことが7日までに分かった。「私の罪は万死に値するもので、当然死刑になる」などとつづっている。

 湯浅さんによると、手紙はB5判便せん6枚で、加藤被告の弁護人を通じ、6日に自宅に届いた。

 「遅々として進まない裁判に皆さまの怒りも限界ではないかと考え、謝罪すべきだという結論に至りました」と手紙を出した理由を説明した上で、事件については「記憶がほとんどないが、やったことは間違いない」とした。(2009/11/07-09:44)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009110700136


 謝罪するのは当たり前であり、まあ普通に死刑でしょう。救命措置をしている湯浅さんを後ろから刺した行為は絶対に正当化できません。

 またセーフティーネットを張ることなく製造業の人材派遣を解禁した竹中平蔵一味や派遣切りに走った財界の連中もこの件に関しては責任あるでしょう。あんなことをやれば社会が荒れるのは目に見えてましたから。

 派遣の自由化を推し進めた連中はタクシーの規制緩和を正当化した連中と重なります。彼らは現在に至るまで謝罪もせず、いまだに「日本国外に資本が逃避することを防いだ」、「国内の雇用を創造した」などと嘯いています。どうかしていると思います。

 それにしても自民党を応援すればこの手のネオリベ連中を肯定することになり、民主党を応援すれば外国人参政権とか言い出す売国サヨクを利することになります。普通の政党はないもんなんですかね…。

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民主、外国人参政権法案は今国会提出で調整

民主、外国人参政権法案は今国会提出で調整

 民主党は6日、永住外国人への地方参政権付与法案を議員立法で今国会に提出する方向で調整に入った。同法案には党内にも賛否両論があるほか、国会の会期も限定されていることから、国会提出までこぎつけ、成立するかどうかは微妙な情勢だ。

 同党の山岡賢次国対委員長は同日、国会内で自民党の川崎二郎国対委員長と会談し、同法案の今国会提出を検討していることを伝えた。その後、記者団に「場合によっては党議拘束なしでやる方法もある」と述べ、採決の際は党議拘束を外す案を明らかにした。
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2009110702000142.html


 頭がおかしいんじゃないでしょうか。この一点だけで民主党の全得点は吹っ飛びます。竹島を占拠し、対馬まで自国の領土だと国会議員が主張し出している国の国民に参政権なんてあり得ないでしょう。普通の国なら李承晩ライン・竹島不法占拠の時点で国交断絶状態のはずなのに…

 中国、韓国、北朝鮮あたりの「大嘘つき&譲歩したら付けあがる系」の連中に妙な妥協をしたがる政治家がどうしてこう多いのか私には分かりません。日本の損にしかならないじゃないですか。広い意味で買収され国を売っているとしか思えないんですが。

 日本の参政権が欲しければ日本に帰化すればいいんです。参政権は義務を伴った権利であるべきです。日本人としての義務を持たない外国人に与えるべき権利ではありません。

 タクシー事業者には半島出身者が多いことが知られているため、こういうバカな話が出ると業界の評判が落ちます。本当に不愉快です。

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大阪の地域協議会が大荒れ

荒れる協議、冒頭から非難応酬 町野氏が安部教授批判文書

大阪府タクシー特定地域行同協議会の第一回会合が29日、中央区の大阪合同庁舎で開かれた。協議会に先だって設立手続きをめぐる議論が行なわれたが、町野勝康委員(ワンコインタクシー協会会長)が会議の全面公開を求めたため紛糾。次回までに結論を出すことになった。

また協議会冒頭、町野委員がワンコイン協会の内部文書を出席委員らに配布、事務局が回収する場面もあった。文書では安部誠治委員(関西大学商学部教授)を名指しして批判したが、傍聴者からは「あれは誹謗中傷だ」「自分の主張だけを書けばよい」「議事運営には協力すべき」などの声が聞かれた。

協議会は会長に長井総和・近畿運輸局自動車交通部長を選出、長井会長が坂本克己委員(大阪タクシー協会会長)を会長代理に、田村充啓旅客二課長を事務局長に指名した。町野委員は大阪府代表を会長にすべきと主張したが支持を得られなかった。この後、協議に入り、事務局から大阪のタクシー業界の現況に関する報告と大阪府内5交通圏の適正車両数が示された。

10/31付け陸運新報より


 以下、充実した本文が続きます。いろいろ言いたいことがあるのですが、第一に東京より大阪の方がよっぽど本質的な議論をしているような気がします。議論を公開しろという話も、いまどき役人を会長にしてどうするという話もその通りです。町野さんは基本的には滅茶苦茶なのに部分的に正論を吐くのがとても面白いところです。

 長井近畿運輸局自動車交通部長は、過去のインタビューなどを見ているとかなりの傑物であり、大阪業界の信頼を得ていることは何となく想像がつきます。しかし地域協議会の会長と事務局長を近畿運輸局が取っちゃダメでしょ。これでは何を決めても正統性が調達できません。まだ政権交代の意味が分かってないのかと思います。常識的に安部教授を会長にするべきです。もしくは坂本会長でしょう。

 それにしてもです。町野さんに言いたいんですけど、そんなに自由がいいなら道路運送法を廃止して白タクを自由化しろと主張されたらどうですか? しかしそんな主張は絶対にしないですよね。ワンコインは道路運送法の存在を前提とした権益モデルであることは明白です。道路運送法がなくなったらワンコインモデルは崩壊します。一両当たり月額いくらという指導料もパアです。そのことは町野さん自身が一番ご存知のはず。

 思考実験してみれば簡単なのですが、もしMKやワンコインのリースモデルが他のタクシーを駆逐し全タクシーがリース制になったら、道路運送法は「青木さんや町野さんらの権益を白タクから守る法律」になります。維持できるはずがありません。自分自身が道路運送法のおかげでメシが食えているのに、その道路運送法の基盤を食いつくそうとしているのがMKや大阪のワンコインモデルです。私から言わせれば寄生虫です。

 一般論として、社会のおかげでメシが食えているのに社会の基盤を崩す輩は社会から嫌われます。当たり前のことです。たとえば暴力団とか教条的サヨクとか勘違い役人とかの類です。教条的サヨクが社会党を滅ぼし、勘違い役人が自民党を下野させましたという話はまた今度にします。要するに付加価値でメシを食うのではなくポジションでメシを食い出したら終わりです。

 タクシー事業は、何となく、ポジションでメシを食ってる系統に近いのではないかと世の中の人は感じています。見渡せばほとんどが世襲経営者で、給与体系は経営側に有利な歩合制と来ればあまり大きな顔はできないと正直思いますが、歩合給はそれでもまだ経営側もリスクを負っています。これがリース制になると経営側のリスクはゼロ。制度に乗っかった利権商売以外の何物でもありません。完全なる寄生虫でしょう。

 タクシーの経営は「時間給>歩合給>リース制」の順で難しく、供給過剰による乗務員の低賃金や交通事故や空車渋滞などの外部不経済は「リース制>歩合給>時間給」の順で多く発生します。タクシー政策の究極目標は時間給で経営できる状態を作ることであり、前回の規制緩和はそれに逆行したから失敗しました。今回の特措法はタクシー政策の王道への回帰です。地域協議会はそのための装置なのだと思います。

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酷い客(通信社社員)の話

 とりあえず以下のブログを読んでください。

 この業界は俺たちを守ってくれるのか

 私は両方の立場に居た希少価値的な人間です。両方の気持ちが分かります。

 確かに記者時代、記者クラブからタクシーを呼んだ後に取材先やデスクから電話がかかり、タクシーが到着した時は遅版向けの差し替え原稿に必死というような状況が普通にありました。その時は乗務員さんには1時間でも2時間でも待ってもらっていたのですが、それが「悪いことだ」という感覚は正直なかったです。原稿を書いている時はタクシーを呼んだことは意識から消えています。

 このへんの気配りができていなかったのが記者時代の私の最大の欠点で、お恥ずかしい限りなのですが、まあ若い記者なんてたいがいそんなもんです。(もちろん若くして気配りのできる人もたくさん居ますよ!)

 タクシーは歩合給であり、タクシー乗務員は有限の乗務時間を売上に変えて生計を立てている人たちだという認識が、たぶん普通の人たちにはありません。日本のサラリーマンの大多数が時間給(月給)の世界で生きています。取引先の都合で待たされたりしても、それだけで給料が下がることはありません。タクシーを含めみんなそうだと思っている人が結構居ると思います。

 この話にある「キャンセル料」がどういう法的根拠に基くものか私は良く分かりません。まあ、あんな対応されたらそんくらい請求したくなる気持ちも分かりますが…。法的に全く問題がないベストの対応は「規則ですので待ちメーターを入れますね」と、最初にその記者氏に明るく告げて(法的には言わなくてもいいのですがまあ念のため告げて)待ちメーターを入れ、体操でもしながら「原稿が長引け長引け」とニヤニヤしていることでしょうね。

 乗務員の皆さんは、記者に待たされたら遠慮なく待ちメーターを入れて請求しましょう。それが正当な権利です。回送で待っていてもたぶん好意に気付きません。

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