結局は政党より人

民主・鳩山代表「故人」献金問題 衆院特別委で民主党欠席の中、与党議員が追及

 民主党の鳩山代表の資金管理団体の収支報告書に、すでに亡くなった人などからの献金が記載されていた問題をめぐり、衆議院の特別委員会では、3日も民主党欠席の中、与党議員が鳩山代表の説明責任を重ねて追及した。

 自民党の葉梨康弘議員は「民主党さんが、きょうも(委員会に)出てこない。(法案の)提案をしている以上、真摯(しんし)に説明するのは当たり前のこと」と述べた。

 委員会では、与党議員が「なぜこれだけの偽装が行われたのか」、「説明に矛盾が生じている」などとして、鳩山代表自身の説明を求めた。

 委員会には、民主党が企業団体献金禁止を盛り込んだ政治資金規正法改正案を提出しているが、3日も民主党欠席の中、与党側が一方的に批判する形になった。

 鳩山代表は、すでに「記者会見で説明責任は果たした」として、与党の求める国会への招致には応じない方針。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00158359.html


 都議選が公示されて窓の外は賑やかです。選挙の季節になり、タクシー業界の人もあちこちに駆り出されているようです。

 まあ今回の総選挙はどうやら民主党が勝ちそうだと大方の人が見ており、私もそう思っているのですが、この故人献金問題はどう見てもダメでしょう。国会欠席戦術で静岡県知事選と東京都議選を乗り切れると思っているとしたら、相当に状況認識が甘いと思います。

 小沢一郎前代表秘書逮捕の件は献金を受けた相手先を正しく書いているので虚偽記載でも何でもなく、これを虚偽記載容疑で逮捕した東京地検特捜部の方が虚偽逮捕だと私は普通に考えています。しかし鳩山代表の件は本人も認める虚偽記載です。「秘書が点数稼ぎに鳩山氏の個人資産を付けかえしただけ」という記者会見の説明と矛盾する事実も出ています。これは説明責任が生まれるでしょう。

 一方この件で民主党を非難している自民党の葉梨康弘議員も、児童ポルノ禁止法案の審議で「全国民が18歳未満の人間の裸が映っている写真と電子ファイルを次の1年で家探しして全部処分するべきだ」みたいなイカレたことを言ってネット世論の集中砲火を浴びているようですし、九州の方では一週間でお笑い芸人に逆戻りした知事も居ます。まあ、いろいろ踊ってくれています。

 現状ではどの政党もダメなので、基本的には人を見て選ぶしかないという気が日に日に強くなります。タクシー業界がこれまで正しい政治家を応援してきたかについては私は非常に懐疑的なのですが、これからは与野党問わず、きちんと日本のため、タクシー利用者のために汗を流してくれる人を応援するのが正邪で考えても正しいですし、損得で考えても得だと思います。政党ではなく人だと。

 業界は政党色を薄めて「人を見る」方針に変えた方がよさそうです。衆議院の国土交通委員会の審議を傍聴した人は、自然にそう思うような気がします。
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「労働法、守られないのは日本だけ」舛添厚労相が嘆き節

「労働法、守られないのは日本だけ」舛添厚労相が嘆き節

 舛添厚生労働相は2日、政策要望に訪れた連合の内藤純朗副会長らとの会談で、「日本では労働法が順守されていない」と嘆いた。労働法が守られているか監視するのは労働基準監督署を抱える厚労省の重要な仕事だが、「連合の大きな目標として、労働法を国民に意識させて」と逆注文する場面もあった。

 舛添氏は労働法の現状について、「スピード違反は捕まるからみんな順守する。労働はもっと大事なのに、労働基準法も(労働者)派遣法も、みんな目をつぶっている部分が相当ある」と述べた。

 労働法軽視の背景には旧労働省の力不足があったとした上で、「最大官庁の厚労省になり、前みたいに弱くなくなった」と自賛。労働法の定着に向け、連合にも組織率の向上などの努力を呼びかけた。

 会談で連合側は、09年度補正予算に盛り込まれた職業訓練中の生活費給付制度の恒久化や、最低賃金の引き上げなどを求めた。(江渕崇)
http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY200907020211.html


 労働法規制の最高責任者が何を言っているんでしょうね。嘆きたいのは国民、労働者、そして労働法規を守ってバカを見ている善良な経営者です。なんかこの人、もうダメなんじゃないかと思うことが最近増えてきました。

 規則を作ったらその規則を守らせるのがアンパイアの仕事です。守らせられない規則は作ってはいけません。規則破りを放置していたら「ズルし得」のモラルハザードが発生しますから。

 km処分公示のニュースに関する当ブログへのコメントで、大阪のルール違反の野放しの惨状が何回も出てきます。テレビカメラに堂々と乗車拒否の実態が何度も何度もレポートされているのにチャブリを放置している近畿運輸局の罪は、上の舛添厚生労働相と同じく、厳しく非難されるべきものだと思います。

 日本国憲法は90条に会計検査院による会計検査を定めています。国民から預かった税金を不適切に使った行政庁を罰するための規定です。これが諸外国に比べてあまり機能していないという話は今回はさておき、国民から預かった権限を適切に行使しないダメ役人を晒す役所が一つ必要かもしれません。会計検査院と一緒に参院附置という線で。

 役人にとって現状、権限は資産オンリーという感覚なのですが、これは当然のことながら負債でもあるべきです。つまり実行しなければ罰を食らわせる必要があります。こうして不必要な権限をスリム化し、やるべきことは必ずやるというようにすることが、霞が関改革のポイントの一つかなあと思います。

 タクシー規制も、一度、思い切り棚卸ししてもらいたいものです。労働時間規制があったら365キロ規制は要らないでしょう。車両持ち帰り規制なんかも意味あるんですかね。大阪のワンコインが悪いのはリース制だからであって車両を持ち帰っているからではないと思いますが。
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km処分と運賃値上げ

 kmの許可取り消し処分をどう見るかについては本当に話が尽きないのですが、私は2007年12月の東京の運賃改定(値上げ)と似たようなニオイを感じています。

 2007年の運賃改定は、「供給が過剰なのに値上げ」という、市場原理から考えてあり得ない決定でした。まあタクシーの運賃は総括原価方式で決まりますから供給過剰になって生産性が落ちれば運賃は上がるのが当たり前なのですが、この理屈を理解している人は当時ほとんどいません。要するに世間的に通らない話をやったわけです。

 このときの国土交通省は、この措置が世の中の大反発を呼ぶことを完全に想定していました。というよりむしろショックを与えて動かすしかないという考え方でした。それを当事者から聞いた時は、まったくもって恐ろしいことを考える人たちだと驚いたのを思い出します。

 現実は彼らの想定通りに動きます。まず内閣府物価安定政策会議が「なんじゃこりゃ」となりました。そりゃなります。しかしよくよく話を聞いてみると、単に「ダメ!」という話でもないことが分かってきます。あの山内弘隆教授まで「仕方ないんです」と言います。モヤモヤしたまま運賃改定を是とし、気持ち悪いので国土交通大臣に対して交通政策審議会のタクシーWG設置を求める話になりました。これらはまさに読み筋通りだったのです。

 物価安定政策会議の委員からはスーパー論客の佐々木常夫・東レ経営研究所社長ほかが交通政策審議会タクシーWGへとなだれ込んできました。タクシーWGでは4回目の議論くらいで過半の委員が問題の本質に気付きました。その結果「値上げけしからん」から「規制撤廃が行き過ぎだったんじゃん」に舵が切り替わり、最終的に諮問文とかなりトーンの違う答申が出ました。そして今回の全党一致の法改正に至ります。

 途中を端折ると、2009年のタクシー特措法は2007年の無理筋の運賃値上げがきっかけになったものです。そのきっかけを作った国土交通省は、完全に制度改正の着地点を意識して運賃改定を仕掛けました。この短期間で法改正まで行くとはさすがに予想していなかったようですが、どこかで法改正になることは想定していました。これは歴史的事実です。

 さてkmです。「粛々と処分しました」という話を額面通り受け取ることは私にはできません。彼らは何かをたくらんでいるはずです。「タクシーの規制を地方自治体に移管したら選挙などでのしがらみを越えて地元有力企業をここまで厳格に処分できないでしょう」というデモンストレーションだけだとしたらどっちらけです。たぶん別の何かを狙っています。タクシー利用者にとって良いたくらみなら、私に異存があるはずはありません。
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yenから縁へ 自民・民主討論会

 某記者クラブ時代にお世話になった過去官僚さんからのお誘いで、「自民党×民主党 政策別公開討論会」というのを覗いてきました。私が見に行ったのは総論に当たる「将来ビジョンと政権担当能力」というセッションです。自民党からは園田博之議員、民主党からは長妻昭議員と福山哲郎議員が登壇しました。

 園田議員には気の毒ですが、この客観状況では誰が何を言っても民主党の優勢となります。本日もそうでした。まあ私も最後の会場アンケートでは民主党側に軍配を上げたのですが、一つ、とっても重要なところで私は園田議員に深く同意しました。

 「日本経済が中国経済に規模で抜かれ、世界第三位に落ちるのが大変だ!」という、私から言わせれば底の浅い問題提起が主催者側から出された後の議論です。園田議員は「経済規模が大きいことだけが価値ではない」という趣旨の意見を述べました。まあ敗北主義と取られやすい発言です。案の定、マッチョ的議論にかき消されて園田議員自身が軌道修正に近い発言をする結果となりました。

 でもGDPが大きい小さいって、何か意味あるんですかね。GDPなんて単なるフローでしょう。経済指標で言えば日本国の純資産がプラスかマイナスかが問題であって、それは現在において世界最大のプラスですし、そのプラスが毎年毎年増えている状態なのですから何の問題もありません。むしろ大きすぎる日本の純資産が世界を不安定にしているとさえ感じます。

 日本のGDPを抜くと言われている中国経済なんて、どう見ても粉飾決算の塊の張りぼてです。銀行の信用不安が起きたら跡形もなく吹っ飛びます。中国に信用不安が起きるか起きないかはすでに議論の余地がなく、単に「いつ起きるか」の問題でしょう。同じ張りぼて経済でも基軸通貨を持っている米国とは違います。人民元は基軸通貨どころかハードカレンシーですらありません。

 それ以前に、日本は別に世界第二位の経済大国だから日本なのではありません。歴史のほとんどの期間において日本は経済大国でも何でもありませんでした。それでも世界に燦然と輝く歴史を持つ極めてユニークな文化国家です。それのどこが不満なのかと思います。現在GDP1位のアメリカ合衆国より多くの面で偉大な国だと私は思います。

 今日の討論の中心的なテーマは、日本をどういう社会にしたいかでした。少子化対策だ霞が関改革だといった各論はいいから、どういう社会をつくりたいのよという問いかけに、残念ながら壇上の議員たちは十分に満足のできる話ができていなかったように感じました。この議論はニコニコ動画で中継されていたのですが、圧倒的なコメントがその部分の欠如を指摘するものだったようです。

 私は批判だけして代案を出さないのが嫌いなので、自分ならどう答えるかなあと、帰りの電車の中でつらつら考えていました。浮かんできたのが「縁を大切にする社会」というキーワードです。

 日本は東アジアに位置しながら、支那朝鮮とは異なり、「血縁だけ」の社会ではなく、むしろ地縁や職場の縁でつながっている社会だと言われます。日本社会は縁を軸に動き、それによって穏やかで洗練された文化と社会を作ってきました。

 バブル崩壊以降、そして「小泉竹中路線」と言われる“改革”は、この縁をぶち切り、縁よりyen(カネ)の社会にしてしまいました。派遣切りや自殺の多発は、何より大切な縁を失った日本人の悲鳴のように感じます。

 これからの日本のグランドデザインは、壊してしまった縁を再構築することです。これが成功すれば少子化問題は自然に解決すると思います。ただし歴史的に見てどうやら日本社会の宿痾である「縁の利権化、固定化」に対してはこれを許さない仕組みを用意します!

 ――長妻議員あたりがあの場でこう言ったらどんな反応になったでしょうか。ちょっと想像してみました。ネットでは「鳩山の二番煎じか!」みたいなコメントだらけになりそうな気もしますが(笑)。

 縁の話を考えていた時、やはりkmの件が頭をよぎりました。事業許可取り消しとなれば浅草など本社管轄の営業所でkmマンとして誇りを持って仕事をしてきた乗務員さんが職場の縁を奪われます。確かに彼らが再就職先に困ることはないでしょう。yenは維持できます。しかし縁は失われます。やりきれないものを感じます。

 話題は変わりますが、この討論会で東大生の調査が披露されました。あきれたのが「将来に不安を感じますか」の問いに対し78%が「感じる」という回答です。ふざけるなと。何を甘えているんだと。おまえらは誰なんだと。そのへんの私立のボンクラ学生かと。オヤジOBとして内心で毒づいていたところ、福山議員が言ってくれました。

 「浦賀に黒船が来たとき、戦争に負けて東京が焼け野原になったとき、当時の若者が『将来に不安を感じます。政治は何とかしてください』みたいなことを言ったでしょうか」

 ガツンと行きました。まさにその通り。私は拍手していました。会がはねた後、ちょうどエスカレーターで近くに乗ったものですから、「あの発言は素晴らしかったですねえ」と話しかけました。福山議員は「厳し過ぎたかとちょっと反省するところもあるんですが、東大生ですからねえ」と、妙に嬉しそうでした。自民、民主問わず、同世代のこういう人が国会に議席を持つのは私にとって嬉しいことです。
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違反点数の合算継承に反対要望〜大阪タクシー協会

 大阪タクシー協会の関淳一副会長と牛島憲人経営委員長、大岡信夫副委員長は24日、事業譲渡や合併に伴う累進違反点数の合算について運用上の配慮を求める要望書を近畿運輸局に提出した。

 関副会長らは松川隆男監査指導部長と面談。先ごろ成立したタクシー適正化法の趣旨を汲み、事業再構成のための事業譲渡や合併等を促す意味からも、累積違反点数を合算しないよう要請した。これに対し松川部長は「要望書と今回承った意見は確実に本省に上げる」と回答した。

(6/27付「陸運新報」)


 東京から大阪業界を見ていると「なんであんなに愚かなことをやっているんだろう」と思うケースが正直なところ多いのですが、逆に「大阪商人はやっぱり凄いなあ」と感じることもしばしばあります。このニュースは後者でした。

 日付に注目してほしいのですが、これは「6.25 kmショック」の前日です。同じ要望を6.25の後にやるのと前にやるのでは大違いです。いやはや、恐れ入りました。

 現在の違反点数の合算制度が事業譲渡の障害になり、ひいてはタクシーの品質向上のブレーキになることは、たぶん、普通の知識がある人が普通に考えれば当たり前のことです。たとえば地域協議会に参加しタクシーの仕組みをある程度理解した利用者代表の市民だって理解します。

 これは国土交通省がきちんと制度改正しないとダメでしょう。サボっていると、それこそ「地方分権にした方がいいんじゃないの?」という話になるレベルの案件だと思います。

 kmの労務時間管理がずさんで、監査を舐めていたのはどうやら事実のようです。しかしだからと言ってあっという間に許可取り消しの死刑宣告などということを連発していたらこの業界に良質な資本は永遠に入らず、パチンコ屋やサラ金レベルのアウトローの巣窟になると思われます。前のエントリーで書いた減車処分でもコンプライアンス強化の目的は十分に達せられるのですから、不必要に過激な処分はいかがなものかと個人的には思います。

 大局的なことを言うと、安定した経営の上にのみ安定した雇用が成立し、安定した雇用の上にのみ良質で安定したサービスが提供されます。すなわち「安定した経営」は利用者利益です。いたずらに経営を不安定化させるのは利用者にマイナスです。オイコラ系の国土交通省の役人はここが根本的に分かってないんじゃないかと感じることがしばしばあります。いわゆる経済音痴の法学部頭というヤツです。

 あとは経営者が暴利をむさぼらないように何をすればいいか、別に考えればいいと思います。情報開示義務を強化して経営者を資本市場および労働市場からの競争にさらすのは有力な手段でしょう。開示しなければ粛々と減車処分すればいい話です。

 タクシーの消費市場が脆弱であり、これに期待してもダメであることは2002年からの数年で証明されています。しかし資本市場と労働市場は、市場の失敗を生む情報の非対称性を縮小したうえでもっと活用するべきだと、このブログでは主張してきました。累積違反点数の合算制度は資本市場を殺していると私は考えます。大阪協会の問題意識に同感です。

 ただし合併時にチャラにしろという話はダメです。制度を悪用し累積点数チャラ目的の合併が起こるでしょう。もしかしたら最初からそれが狙いで…(以下略)。
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