初乗り運賃500円認めず 個人タクシー、法施行後初

初乗り運賃500円認めず 個人タクシー、法施行後初

 国土交通省近畿運輸局は24日までに、大阪府の個人タクシー事業者8人が認可を求めている初乗り運賃500円の継続申請を認めず、値上げするよう通知した。国交省によると、ことし10月のタクシー事業適正化・活性化特別措置法の施行後、運賃が申請通りに認められなかったのは初めて。

 同運輸局によると、個人タクシーの9人から認可申請があり、初乗り500円で適正な収支が成り立つかどうかを審査。その結果、1人は継続を認めたが、8人については20日付で550〜660円が妥当と通知した。

 法律は、運賃について「適正な原価に適正な利潤を加えたもの」とするよう定めており、同運輸局旅客第2課は「個別の事業者ごとに、輸送の安全を確保できるかどうかで判断した」と話している。

 初乗り500円で営業しているタクシーは、大阪府内では法人が26社で約1600台、個人タクシーが約400事業者いるという。法人数社からも同様の申請があり、同運輸局の審査が続いている。
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112401000390.html


 もう拍手喝采としか言いようがありません。今現在の近畿運輸局は、自分たちがやるべき仕事を理解しているチームによって動いている模様です。地域協議会を非公開にした挙句に減車の機運に水をぶっかけているどっかの運輸局とはだいぶ違うみたいです。この勇気のある処分に対し、大いなる敬意を表します。

 持続不可能な運賃を認めていては公共交通機関は維持できません。当たり前の処分であり、この処分に文句をつける人は外部不経済を見ようとしない竹中平蔵系の確率が高そうです。

 あとはチャブリを一掃してください。チャブリと仲良しと指摘されている大阪タクシーセンターの大掃除が必要ならばお願いいたします。

 それにしても、こんな申請をさせてしまう大阪の個人タクシー協会は、ちょっと問題ありです。こういうことが続くと個人タクシー制度そのものの存続が保障されなくなると思います。特権だけ主張して秩序は破壊し放題という話は世の中に通りませんから。

※近畿運輸局に拍手を→BlogRank

MKの主張091101

 MKの青木さんが前原国土交通相宛てに爆笑ものの文章を書いています。掲示板の方で指摘がありましたので、こちらで採り上げます。

お客様が選ぶ環境を作ることが
経営者の役割である

タクシー特措法によって短期的には確かに競争の激化が緩和されたことで得をする事業者が出るでしょう。しかしながら中長期的には「監査が嫌なら減車すればよい」的なモラルハザードが事業者と事業者を監督し育成する立場の行政にも蔓延してしまうのではないかと危惧します。(続く)

MK新聞 2009年(平成21年)11月1日発行 第755号 1面
http://www.mk-group.co.jp/fuga/080703.html


 モラルハザードというなら、働いた従業員に給料を支払わないまま済まして裁判所から一人数百万円の支払い命令を受けるのは何ハザードなんでしょうか。どうして犯罪者の分際で他人さまにモラルを説けるのか、私には良く分かりません。

 ドライバーの年収が下がったり会社の財務基盤が悪化したとしても政府は保障してくれませんし補助金を出してくれることもありません。それらはすべて経営者の責任です。何が悪いといったことでなくまずは自分の会社と従業員をどうやって守るか、安かろうまずかろうではなく利用者に評価されるサービスをいかにして提供するかを考え、実践していくことが経営者の務めに他なりません。


 従業員を守る気があるならちゃんと給料払いましょうよ。給料。

 守りたいのは自分だけなんじゃないですか? リース制の賃金体系とは、自分のリスクをゼロにし、すべてのリスクを乗務員にかぶせる仕組みです。そこまで偉そうなことを言うなら時間給にしなさいよ。

 冒頭にも述べましたが、これから徐々に新法の影響が現れます。特定地域の指定期間である3年が経過した後にも磐石な経営基盤と利用者に支持されるブランド作りに全力を尽くすとともに、気を緩めると私どもが淘汰されるという危機感を持ち、日々の経営にあたる所存でございます。前原大臣におかれましては、今後とも運輸行政へのご尽力を賜りよう何卒宜しくお願いいたします。


 MKバンザイの記事を書き続けてきた『日経ビジネス』を発行する日経BP社から指定を外されましたね。低運賃で良質のサービスのはずなのにおかしいですね〜。どうしてかと聞いたら、運賃の水増し請求があまりにも多かったからとか。「利用者に支持されるブランド」が聞いてあきれます。是非とも淘汰されてください。

※「上祐」とでも名前を変えればいいのにと思われる方はクリックを→BlogRank

提案:オークション方式の減車目標値設定

 役人の悪口だけ言ってても仕方ありません。役人は生まれてから今日に至るまで生徒と学生と役人しかやったことのない人間が99%であって、経営感覚もなければ民間企業のロジックも知らないことを前提として受け入れ(ホントはこんなモノカルチャー組織だとダメなんですけど)、私たち業界に何ができるかです。タク懇事務局から家に帰るまでの電車の中で考えていたところ、ちょっといいアイデアが浮かびました。これ、もしかしたら行けるんじゃないでしょうか。

 まず、今の特定事業計画のスキームを下に示します。

 
申告減車率
減車義務
A交通株式会社
5
5
B自動車株式会社
25
25
Cタクシー株式会社
30
30

 これじゃみんなバカバカしくて0%申告になるのは目に見えてます。0%でも罰則なしと国土交通省関東運輸局長が記者会見で言っているわけですから、堂々と0%と書きます。0%と書かない経営者はどうかしているという話になります。

 私が電車の中で思い付いたのは以下のスキームです。表題には「オークション方式」と書きましたが、もっといい表現があるかもしれません。たとえば「最低申告者晒し上げ方式」とか。なお表では都内にこの3社しかないという仮定ですが、何社あっても理屈は同じです。

 

申告減車率

減車義務

A交通株式会社

5

5

B自動車株式会社

25

5

Cタクシー株式会社

30

5


 要するに最低申告者に全体が合わせるルールです。上の状況ですとA交通株式会社が申告減車率最低で、同社の数字が全体を規定します。ビリ会社は目立ちまくります。(今気付きましたが、別に飛鳥交通を意識したわけでも何でもないですから誤解のなきよう。川野繁社長は私を業界に引っ張ってくださった恩人です)

 新スキームでは各社は思い切って申告減車率を上げられます。上げても自分だけ損することはないからです。感じとしては「30%くらい出しておけばビリにはならないな」というところでそのへんに集中するでしょう。

 現実には空気の読めない会社が10%あたりを出して初年度は全員10%減車とかになりそうです。ビリの会社は公共の敵として晒されます。タクシーが多すぎて困り果て、タクシー目の敵作戦を展開する警視庁は怒り心頭でその会社を集中的に取り締まりそうです。なので普通の会社はビリを避けるために高めの減車率を出します。

 どうです? いいアイデアでしょう。

 このアイデアを現実のものとするためには2点確認しておかなければなりません。1つは、こういう形の特定事業計画の書き方がありかどうかです。これは地域協議会の中で「あり」と決定し、万全を期すならこれを公取に持って行ってNGではないかどうか確認する必要があります。

 もう一点は、計算式で使う基準点の確認です。「2008年7月11日時点の認可車両台数が基準ですよ」と確認する必要があります。同じところを基準にしていなければ減車率の数字を比較できません。これについても万全を期すなら公取の確認を取れば良いでしょう。

 さらに追加するなら、これ以上減車すると利用者に迷惑がかかるからダメよという「K点」を地域協議会で決める必要がありそうです。これは付け待ち時間ゼロのポイントとして計算できます。以前のエントリーで「理想値」としたところがK点となります。ちなみにK点で申告するのが各事業者にとって最も安全となります。絶対にビリになりません。もしなったらみんなビリですから。

 個タクとのすり合わせもありますが、誠意を持って話し合えば着地点を見つけることは可能でしょう。着地点のアイデアはあります。

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「減車への非協力事業者への罰則規定なし」…関東運輸局

 関東運輸局の神谷俊広局長と小林豊自動車交通部長は19日の定例記者会見で、地域計画作成後の各事業者による特定事業計画について「認定申請を出さなかったからといってペナルティーはない」などと語った。地域協議会を公開するべきであるという戸崎肇委員(早稲田大学教授)の提唱に対しては「会議後の記者レクや議事概要公表をもって、我々としては公開しているつもりだ」と述べた。

11/20付け交通界FaxPressから抜粋


 なんかもう、終わってますね。ペナルティーがないのなら、だれも減車計画なんて出しません。出したら損します。株主代表訴訟ものです。経営というものが全く分かってないんでしょうね。

 各社の部分最適化(増車)と全体最適化(減車)が真っ向から対立するのが供給過剰問題の本質です。である以上、罰則付きのルールを決めなければ減車はできません。主権者が「ルールを作れ」と言っているのに「作れない」と言うのなら、日本国憲法15条に基づいて、そういう役人には辞めてもらうしかないでしょう。

 記者会見で神谷局長は「地域協議会を非公開とすることで委員の了承を得ている」と言っていますが、何を勘違いしているんでしょうね。了承を得る相手は自分たちが選んだ委員ではありません。東京のタクシーに関係を持つすべての人、すなわち東京の住人とタクシー事業者です。私は東京在住ですが、了承する以前にそんなことを聞かれたこともありません。タクシーは役人のものではなく住人のものです。いつまで江戸時代のつもりでいるんでしょうか。

 もう減車は無理です。乗務員の苦しみは続きます。役人どもは「業界の責任だ」と言うに決まっていますが、だれの責任かは明々白々です。

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政治的にはタクシーは解決済み?

 新政権発足後最初の衆院国土交通委員会を一日遅れで見ました。全部をくまなく見たわけではないのですが、タクシーの話は私の見た範囲の中ではありませんでした。政治的にはタクシー問題は昨年の特措法で終了していると「仕分け」られている模様です。三日月政務官までダムの答弁をしてました。

 出口の見えない状況に追い込まれている現在のタクシーの大問題が、政治的には「存在しないこと」になっている恐れがあります。これはかなりまずい状況です。

 業界内の事前の談合が独禁法違反だと国土交通省自動車交通局が業界に言っている以上、タクシー特措法の地域協議会・特定事業計画スキームによる目に見える減車は不可能です。どうせ役人はその責任を業界に押しつけます。彼らが自分のミスに関して自分で責任を取った例を私は知りません。役人の話をそのまま書く最近の記者クラブメディアの記事はだいたい想像付きます。

 業界が現在のように「みんなで減車をやろう! エイエイオー!」モードだけで動いていては、たぶんババを掴まされます。ここは賢く立ち回った方が良さそうです。

 話は変わりますが、JAL問題での前原国土交通相の答弁は良く分かりませんね。あの答弁だとJAL再生タスクフォースは新政権、前原大臣のために働いたことになります。しかしその請求書10億円はJALに出されています。理解できません。私でも理解できないのですから、JALの内部の人からすれば怒り心頭でしょう。

 質問者の田中康夫委員が「独禁法が禁じる優越的地位の濫用ではないか」、「タスクフォースへの発注は随意契約そのもの」と指摘していました。私もまったく同感です。

 トールキンの『指輪物語』流に言えば、前原大臣は権力という「指輪の魔力」に取りつかれてしまったように見えます。八ッ場ダム問題の最初のボタンの掛け違いも同じ構造です。過去には永田偽メール事件もありましたし、どうも危なっかしくてなりません。「ミスター検討中」と言われた長妻厚労相から、権力行使に関する慎重さを学んだ方がいいと思います。

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